上州武尊山に登る(R7.4.8) 

3月には上州武尊山と八ヶ岳にそれぞれ遠征する計画を立てましたが、天候不良と体調不良でいずれも中止しました。
このままでは今シーズンは雪山に行かずじまいになってしまいそうでしたので、再度上州武尊山を計画して漸く行ってきました。

このブログではおなじみの、みなかみ山岳ガイド協会の松田氏(ハッピースノーシュー代表)にガイドをお願いました。
当初は同じ日程で10年ぶりに春の谷川岳に登りたいと思っていたのですが、何と谷川岳ロープウェーが4月7日から4月18日まで点検整備のため運休に…。
例年は、4月も後半になってからゴールデンウイーク前までが運休だったと思うのですが、星野リゾートに運営主体が変わってからの方針転換なんだと思います。
6日に谷川岳に登った松田さんからの連絡で初めて知りました。
松田さん自身もロープウエー駅で貼り紙を見て初めて知ったんだそうです。

天気は午前中から夕刻までは🌤予報です。
地元駅を始発電車で出発し、上野で新幹線「たにがわ401号」に乗り換え上毛高原駅には定刻の7時50分に到着しました。

私は今年の正月で65歳となったので、これまで使っていた大人の休日俱楽部カード「ミドル」を「ジパング」に変更しました。
このためJR利用の201km以上の旅程の切符購入時には30%オフで乗車券と特急券が購入できます。
今回も都区内から上毛高原駅まで新幹線指定席往復で8,100円とリーズナブル価格で利用できました。

上毛高原駅から川場スキー場までは松田ガイドの車で運んでもらいます。
今日のお客さんはもう一名で、現地待ち合わせだそうです。

川場スキー場のリフトを登山者が利用する際のルールが今年から変更になっていました。
翌日の天候が登山に適するか否かをスキー場運営会社が判断し(松田さんに言わせるとどの天気予報に基づいて判断しているのか判然としないということです。)、午後3時以降に翌日の登山者受け入れの可否がスキー場ホームページ上に掲載されます。
この判断が「否」となると実質的に上州武尊山に登山することができなくなるというものです。
下から登ったら相当なアルバイトを強いられますからね…。
幸いにして7日にホームページを覗くと「受入可」が出ていて一安心しました。

流石に四月の平日だけあり、スキー場駐車場もガラガラでリフトのチケット購入も登山届の提出もスムーズでした。
なお、これもスキー場の方針でココヘリを携帯しないとリフトのチケットは購入できません。
持っていない人のためにレンタルが準備されています。確か1,000円だったかと…。
リフトは往復3,300円で、ICカードを渡され、下山時に返却すると500円(保証金)のバックがあります。

リフトに乗車します。流石に早い…。

リフト終点でゲーターとアイゼンを履いて出発です。
この時私はヤマレコの登山開始ボタンを押すのをすっかり失念してしまったので、今日のルート図とコースタイムは記録できませんでした(‘;’)。

9時半にはリフト終点を出発です。
下の写真は松田ガイド(赤のジャケット)と参加者Aさんです。
天気は快晴です。
後方に見えているのは西峰です。

右側の岩壁には氷柱も見えています。

まずは祠のある西峰まで急登を頑張ります。

見えているのは家ノ串山でしょうか…。

祠のあるピークに達すると途端に展望が開けます。

まずは谷川岳が…。
黒々とした一ノ倉の岩壁が素晴らしい。
ただ、天気は良いのに何となく靄っとしていて展望がクリアーではありません。
黄砂か花粉?

肉眼ではもう少しクリアーに見えましたが、「浅間山」です。

谷川岳から一ノ倉岳へと連なる稜線です。

馬蹄形の山々です。

目指す沖武尊です。

西峰のピークを過ぎたところであまりの暑さでジャケットを脱ぎました。
風はほとんどありません。
一昨年の三月に来た時には強風にあおられましたが…。

剣ヶ峰山を目指します。

剣ヶ峰山山頂付近からの眺望です。
谷川岳の背後左に見えているのは苗場山ですね…。

剣ヶ峰山を下って振り返ったところです。
ちょっとレンズに水滴がついてボケてしまっていますがご容赦を…。
剣ヶ峰山の下りで要注意なのは山頂直下の10mほどでしょうか…。
今日は凍結もなくスムーズに下れました。

剣ヶ峰山を下ると沖武尊との鞍部付近はなだらかな稜線となります。

1975mのピーク付近から剣ヶ峰山を振り返ります。
絵になります。

沖武尊までもうひと頑張りです。
正面の岩壁を左から巻く感じで稜線を目指します。

山頂直下の急登に喘ぎます。

今日の谷川岳はロープウエーが動いていないので、西黒尾根を登る人が若干いる程度でしょうか…。

山頂到着です。
山頂ではランチタイムを取りました。
私はお気に入りの菓子パンと羊羹とテルモスの白湯で済ませました。

朝日岳方面

中ノ岳と越後駒ケ岳

八海山方面

至仏山

燧ケ岳

日光白根山

中ノ岳、家串山、剣ヶ峰へと続く尾根筋をバックに…
休憩中にビーニーを被り、ジャケットを着込んでいます。

燧ケ岳の左手に見えているのは会津駒ケ岳

平ヶ岳

樹氷ができています。
松田さんは昨日もガイド山行で登頂したそうですが、午後から風が強まって頬を雪に叩かれて下山したとのことでした。
きっと夜間帯に結構な風と雪になったんでしょうね…。

御岳信仰についての松田さんの説明を聞きます。

一等三角点です。
それに相応しい展望ピークです。

さあ下山しましょう。

稜線東側には結構大きな雪庇が張り出しています。

石楠花の群生地…。
蕾をたくさん付けていました。

登り返しはキツイ(‘_’)。
この登りにかかる前に再びジャケットを脱ぎました。
私は、ビーニーも通常のキャップに換えています。

剣ヶ峰山が近づいてきました。

剣ヶ峰山山頂まで戻ってきました。

剣ヶ峰山頂の痩せた稜線を通過です。

剣ヶ峰山を下ってから振り返ると、クラックとデカいスノーブロックが張り付いている様子が良くわかります。

下りは早い。

イグルーを作っている登山者がいました。

西峰を振り返ります。

リフト山頂駅に到着したのは13時半前でした。
今日も松田さんのガイディングで今シーズン最初で最後かもしれない雪山を安全に楽しめました。

また、今日はストックは使わず、全行程ピッケルを使用しました。
と言ってもピッケル本来の使い方をする場面はほぼありませんでしたが…。
ただ、急な雪の斜面の登下降ではストックは雪面に刺さらず有効な支点になりませんが、ピッケルは流石に安定感があります。
学生時代のようなわけにはいきませんが、ワンシーズンに何回かは今後も出番を作ってやりたいなと思っています。

松田ガイド、参加者のAさん、大変お疲れ様でした。

なお、帰路も松田さんに上毛高原駅まで送ってもらい15時25分の新幹線「とき324号」で上野に戻りその後も順調に帰宅できました。

PS  私は大いに日に焼けて、今日(13日)までに顔の皮膚が一皮剝けてしまいました。
子供のころから、人一倍日焼けし易く、いつも真っ黒な顔をしていたのですが、この歳になってもそうなんです。
日焼けすると赤くならずに最初から黒くなるんです。
読者の皆さんにとってはどうでもいいことでした☺。

上州武尊山に登る(R5.3.19)

昨日は、今月初めの玉原高原スノーシューに続いて、みなかみ山岳ガイド協会・松田ガイド(ハッピースノーシュー代表)主催の上州武尊山ツアーに参加してきました。
今回は細君はお休みで私のみの参加です。
実はこのガイドツアーには昨年も申し込みをしたのですが、当日、常磐線が列車事故で不通となってしまい泣く泣くキャンセルした経緯があります(その時の記事はこちら。)。
ですから今回は昨年のリベンジなんです。

交通手段は始発電車で上野に出て、同所から新幹線に乗り換えて上毛高原まで行き、現地で松田さんのガイド車に拾ってもらうというものです。
今日のお客さんは、ご夫婦が一組(帰路の車中の会話で判明しましたが、ご主人は私と同い年で学年も一緒でした。)、ソロの女性がお二人で私を入れて総勢5名でした。

川場スキー場までは順調でしたが、既に屋内駐車場は満車で、屋外に誘導されました。
スキープラザの7階で諸手続き(登山者にはココヘリの携帯が義務付けられています。持ってない方にはレンタルがあります。)をして、リフト二基を乗り継いでゲレンデトップまで上がって登山スタートとなります。

リフトの威力は凄い。

ゲレンデトップで身支度をします。

剣ヶ峰山東面の岩壁。

リフトで高度を稼げるのは大変ありがたいのですが、のっけから急登になります。
この祠まで登ると一気に展望が広がります。
左に見えるのが赤城山、右に見えるのが榛名山です。

谷川岳の岩壁群が素晴らしいですね。

今日は松田さんの指示で私はしんがりを務めることになったので、時折我がパーティーの後ろ姿をパチリ…。
霧氷が美しい。今朝の放射冷却の産物ですね。

こちらは浅間山です。
昨日の新雪で真っ白です。
浅間山の左には頭だけ白い八ヶ岳連峰の北端にある蓼科山が見えます。
さらに浅間山と蓼科山の間には遠く御嶽山も…。
浅間山の右の白い山は白根山でしょうか…。
とにかく素晴らしい展望が広がっています。

こちらは志賀高原方面でしょうか…。いや、妙高かな…。とするとその左奥に見えているのは白馬岳か…。
と思いきや、松田ガイドから指摘があり、白い峰々は南八ヶ岳で、その左手に見えるのは甲斐駒、千丈方面だと…。
失礼しました。

再び谷川岳。

剣ヶ峰山のピークに人が見えます。

絶景の中を登っていきます。

なかなか絵になります。

剣ヶ峰山山頂です。痩せて両側が切れ落ちています。
ただ、あまり高度感はありません。

山頂標識です。
松田さんの話では、標高が2,020mなので2020年にはこの山だけを目的に登る人も少なくなかったとか…・

剣ヶ峰山北面の気の抜けないポイントを無事通過…。

振り返るとやはりすごい迫力です。
山頂からの下りで最も気を遣うのは、山頂直下の10mほどでしょうか…。

剣ヶ峰山を下りきったところからも振り返ってみます。
なかなかのイケメンですね(^^)/。
剣ヶ峰北面はかなりの強風でした。
私も久々にソフトシェルのフードを被りました。
ところで下の写真をよく見ると剣ヶ峰山の東面をトラバースするトレースが付いています。
おまけに今まさにトラバース中の人影が…。雪崩れた跡のデブリも…。怖くないんでしょうか…。私にはとても真似できません(‘_’)。

松田ガイドを先頭に沖武尊との最低鞍部目指して下っていきます。

こちらも素晴らしい。
武尊ブルーに尖がった剣ヶ峰山が良く映えます。

遠くに見えているのは北アでしょうか…。
正面は乗鞍でした。
乗鞍を挟んで右が四阿山、根子岳。その右奥に見えているのが奥穂、北穂、大キレットから槍ヶ岳に続く稜線です。
左が湯ノ丸山、篭ノ登山ですね。
松田さんからの指摘でもう一度ネットで資料を探して映像を当てはめてみました(^^)/。

もう一枚剣ヶ峰山を…。

沖武尊手前で記念撮影。

武尊山山頂到着です。
こちらは尾瀬の至仏山。

左が至仏山。右が燧岳です。

山座同定中の皆さん。

北アルプスが見えているのがお判りでしょうか…。
先ほどの写真より大キレットが良く見えます。

山頂標識です。
真ん中の山の形の板が壊れていますね。
山頂付近もやはり風が強い…。

可愛らしい祠がありました。

こちらは越後駒ケ岳方面です。

ちょっとピンボケですが巻機山です。

中ノ岳(一番手前の大きく見えるピーク)と越後駒ケ岳(中ノ岳の右のピーク)です。
中ノ岳の左奥に見えている岩肌の露出の目立つ山は八海山ですね…。おそらく…。
と思いきや松田さんの指摘で八海山は中ノ岳から左に稜線を辿った最初の割と尖った明瞭なピークがそれと判明…。

テーブルマウンテン苗場山です。これも実は平ヶ岳でした。

日光白根山です。

皇海山です。

左から中ノ岳、家ノ串山、剣ヶ峰と続きます。
武尊には剣ヶ峰が二峰あって、今日我々が登ったのは「剣ヶ峰山」、こちらは「山」の付かない「剣ヶ峰」です。

至仏山と燧ケ岳を指し示したところを松田さんがパチリ(^^)/。

風を避けられる場所で若干の昼食休憩後、下山開始です。
往路を忠実に戻ります。

下ってきた武尊山を振り返る。

それにしても素晴らしい天気です。

一日快晴です。

こんな雪のオブジェ?が。

剣ヶ峰山は近い。

イイですね…。

剣ヶ峰山山頂に出たところで松田さんがパチリ。

剣ヶ峰を下って振り返ります。
左が剣ヶ峰山、右が沖武尊(武尊山)です。

午後の谷川連峰です。

迫力の岩壁。

間もなくリフト乗り場です。

かくして今回のガイド山行は無事に終了しました。
武尊山は日本百名山ですが、無雪期はどのコースから登っても相応のアルバイトを強いられます。
ですが積雪期に川場スキー場からリフトを使ってアプローチすると標高1,900m近くまで労せずして達することができるので、年々積雪期の登山者が増加しているようです。

それにしても今回は風こそ強かったものの、大展望が得られて非常に満足度の高いガイドツアーとなりました。
松田ガイドに感謝します。

次回は山友のI君とМ君を誘って再訪したいところです。

今回のヤマレコの記録です。