10月の連休前半を利用して八ヶ岳赤岳頂上山荘に一泊する山行を計画していたのですが、天気が思わしくないということでキャンセルしました。
その後本格的な冬の訪れの前に八ヶ岳を歩きたいという思いは拭えず、とは言え一泊山行は都合がつかなかったので、夜行日帰りで展望の良い稜線歩きと池巡りを目的に北八ヶ岳に出掛けてきました。
利用したのは登山者の味方「毎日アルペン号」です。マイカーを持たない方や私のように夜間の運転が苦手な者には利用価値の高いバス便です。
前日21日の22時45分竹橋毎日新聞社集合で23時に出発です。
バスは中型観光バスで私の座席は最後部の窓側。足元の広さもまずまずで最後部が故にリクライニングも思いっきりできるという恵まれたものでした。
スリッパ、アイマスク、首枕、耳栓という夜行対策グッズで比較的よく眠ることができました。
座席通路側の男性がおそらく観音平で下車したと思われるのですが、爆睡していてまったく気が付かなかったくらいです。
白駒池入り口駐車場着はホームページでは6時15分となっていましたが、5時40分には到着です。
駐車場はそこそこの埋まり具合です。
身支度をして6時前には出発します。
いつものことながらこの標柱の奥へと入ると途端にフィトンチットの香りがします。
今日は左へと・・・。
青苔荘のボート乗り場で池畔に出てみると紅葉はすっかり終わり、冬枯れが既に始まっている感じでした。
青苔荘も電気が付いていないので、昨夜は宿泊客がいなかったのかも・・・。ここも泊まってみたい小屋の一つです。
もののけの森を通って・・・
池を離れてにゅうへの登山道へ入ります。
白駒湿原前後は木道になっていました。
白駒湿原です。草紅葉も終わりですね。
ところどころに立派な道標が・・・。
霜柱発見。夜はかなり冷え込んだのでは・・・。
こんな味わいのある道標もありました。
にゅう山頂直下です。
山頂到着です。曇天なので遠望はあまり期待していなかったのですが、御覧のとおり富士山がクリアーに見えています。
これだけで満足。
大学4年の夏に友人のO君と渋の湯から入山して赤岳まで縦走した際に、今回と同様に白駒池から登ったのが最初で最後のにゅう登頂です。
したがって今回で二度目になります。ただ、40年前のことでまったく記憶に残っていません😅。
先日facebookに八ヶ岳遠征の記事を上げたところ、O君から「『にゅう』は覚えている。」とのメッセージかありました。ビックリ…。ちなみにO君は現在山登りはやっていません。
ちょっと脱線しました。
山頂からスタイリッシュな富士山をズーム。端正な富士の姿に惚れ惚れしますね…。
硫黄岳の爆裂火口の迫力が伝わってきます。
男性的な東天狗と女性的な西天狗
可愛らしい山頂標識も・・・。
こちらは・・・。妙高方面でしょうか・・・。
浅間山です。
白駒池を見下ろします。あそこから登ってきました。北横岳の左肩には蓼科山の姿も・・・。
ただ、紅葉はもう終盤ですね。
にゅうのピーク下から再び富士山を望みます。
東天狗の天狗岩が特徴的です。
にゅうの山頂への分岐にはこちらの道標が立っています。
いかにも北八ツの森ですね。
今日は西風が強いという予報だったのですが、にゅうの山頂も西風ゴーゴーでした。
あまり風が強ければ、中山峠から高見石方面の樹林帯彷徨にエスケープしようと思っていたのですが、陽射しもあり、風に吹かれて低体温症ということもなさそうなので予定どおり計画を進めることにしました。
中山からの道を合わせます。
天狗岳が近づきました。
今日は中山峠からまっすぐ東天狗を目指さず、黒百合ヒュッテ、すり鉢池経由で山頂を目指すことにします。
黒百合平に向かう途中に秋の名残りを見つけました。
今日の服装ですが、上半身はモンベルのL.W.アンダー、同じくモンベルのウィックロン・ハーフスリーブラグビーシャツ、その上にモンベルのライトシェルジャケットです。
下半身は中華製の冬用サポートタイツにウール製のハーフパンツといった出で立ちです。
にゅうの登りでライトシェルジャケットは脱いでいます。
黒百合ヒュッテで暖かい軽食を取れればと思いましたが、軽食は10時からでした。残念・・・。
黒百合ヒュッテのオリジナル山バッジを買い求めて、小屋前のベンチで腹ごしらえ。
細君お手製のおにぎりをいただきます。
出発前にザックからライトシェルジャケットとネックウォーマーそして防風グローブを取り出して強風対策を万全にしました。
すり鉢池を目指します。高校生引率の冬合宿時は写真の斜面で雪上訓練を実施したものでした。
夏場にここを歩くのは初めてですが、かなり歩きづらく体力を消耗します。
すり鉢池は干上がっていますね。
振り返ると蓼科山が頑張れと応援してくれています☺。
中山峠からのルートと合流しました。
天狗岩を巻いてわずかな登りで東天狗に到着です。
(前回山頂を踏んだ時の記録はこちら。)
天狗岳に登るのは今回で5回目。無雪期では2度目の山頂です。
ただ、中山峠からの登山道の合流点から東天狗のピークに至るまでの間に左ひざを岩に強打するというアクシデント発生。
ザックに放り込んでいたサポータを装着しました。
西天狗に向かう人も結構います。
画面にフレアというかゴーストが出ていますがご容赦を。
こちらは南アルプス。左から北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳ですね。
こちらは中央アルプス。
南八ヶ岳の山々
下山はこちらを下ります。先行の女性パーティーはなかなかのベテランの様子で軽い足取りで下っていきます。
こんな鉄製梯子は昔はなかったなあ・・・。
右が東天狗岳、左が西天狗岳
高山の縦走路といった感じが出ています。
ここから本澤温泉へ一気に下降します。
白砂新道です。
稲子岳の岩壁です。背後には浅間山。
白砂林道は下りはじめが名前のとおり白ザレのスリップしやすい下りで、その後も樹林帯に入るまでは結構気を遣う登山道が続いていました。
下りにはあまり適していないような印象を受けました。
15分じゃ着かないでしょ(‘_’)。
黄色も美しいですね。
本澤温泉への道のりは結構遠く感じました。
到着です。
2009年の9月26日に茅野から夏沢峠をMTBで越えた時以来の訪問です。
今は運休になってしまっているムーンライト信州を利用して茅野駅で午前3時41分に下車。午前4時に同所を出発して11時半には松原湖駅に下山しています。
MTBの機動力恐るべしです。まあ、当時は私も40代でしたから・・・。
おまけですが、こちらがその時の写真です。
今回は入りませんでしたが、このMTBツーリングでは貸し切りの野天風呂を堪能しました。
こちらが当時の野天風呂の状況です。
なお、参考ですが本澤温泉から松原湖駅へのMTBでの下りは快適そのものでした。
本澤温泉は大変味わいのある建物です。ここをベースに硫黄をピストンするのもアリですね。
さあ、靴紐を締めなおしバナナで栄養補給して残りの下りに備えます。
小屋のオリジナルバッジを購入しようとしたら、生憎品切れとのこと。代わりと言っては何ですが今年の開山祭のバッジを買い求めました。
小屋から少々下るとキャンプ場です。数張りのテントがありました。
皆さん出撃中かと・・・。
みどり池へはずっと下りかと思い込んでいましたが地図を見ると若干の登り返しがあります。
好ましい登山道が続きます。
ところどころで黄葉も見ることができました。
中山峠から降りてくる登山道を合わせます。
こんな自然のオブジェも・・・。
みどり池に到着です。初めて来ましたがなかなかの景観が広がっています。
稲子岳の岩壁が・・・。迫力あります。
池の水も澄んでいました。
正面に見えているのが東天狗岳の尖がりピークと東壁です。
しらびそ小屋は可愛らしい山小屋です。
小屋の山バッジを買い求めました。
ここも泊まってみたい山小屋の一つです。
稲子湯までは山と高原地図のコースタイムよりだいぶ短い時間の案内が出ています。さてどのくらいで下れるでしょうか・・・。
振り返ると小屋のたたずまいがすごくいい感じ・・・。
下山途中に最後のおにぎりをいただきました。
細君に感謝。
沢の向こうに続いているのはトロッコの軌道跡でしょうか・・・。
稲子湯まで「何となく1時間」という案内が何とも言えない(^^)/。
先行者を3組ほど追い越しました。
山腹の黄葉はまだ見頃ですね。
黄色も綺麗です。
林道をショートカットしながら下ります。
赤は目を引きます。
ゲートに到着です。
長野県警山岳救助隊のユニフォームを着た方がいましたが、何かあったんでしょうか・・・。
黄葉の見納めです。
稲子湯に到着しました。しらびそ小屋から休憩込みで1時間12分かかりました。結構なペースで歩いたのでゆっくりペースなら1時間半は見た方が良いかもしれませんね(^^)/。
今日は久しぶりによく歩きました。
この後稲子湯の熱い温泉で痛めた膝の養生をして今山行も終了です。
八ヶ岳に初めて足を踏み入れたのは高校山岳部に入部してからです。その後は社会人になるまでほぼ毎年冬をメインに入山していた思い出深い山域です。
近年は北横岳のスノーハイクや蓼科山、白駒池、高見石周辺のハイキングを夫婦で楽しんでいました。
今回は、冒頭にも書いた通り最初は赤岳に登るつもりだったのですが、その後の事情変更で今日の計画となったものです。
結果として、久しぶりに長距離を踏破してやや体力的に自信を取り戻すことができたような気がします。
また、ここのところ遠征登山で必ず起きていた足の攣りもなく割と淡々としたペース維持ができたのも良かったかと・・・。
可能であれば年内にもう一度近場の山域にご来光登山に行ければなと思っています。
※今回のコース図と高低図
もののけの森は神秘的ですね。今回も写真の1枚1枚が素晴らしいです。特に東天狗岳と西天狗岳の壮観さに圧倒されました。質問ですが、「にゅう」の山名の由来は何ですか?日本語ですか?
スカッとした晴天ではなく、稜線では西風に吹かれまくりましたが、遠望も利きまずまずの山行でした。
「にゅう」の語源は秋田や神奈川の乳頭山と同様に乳から来ているものと思っていましたが、調べてみると秋の稲刈りの後、稲ワラを円筒や円錐形に積み上げたものを「にう」と称するそうで、山麓から見た山容がその形に似ているからというのが山名の由来とされているようです。